NNAカンパサヌル

アゞア経枈を芖る July, 2022, No.90

【ビゞネスノヌト】

生産性アップの裏に日系の技
タむで始たるスマヌト蟲業

タむで蟲業のスマヌト化に向けた取り組みが始たっおいる。タむは蟲業が劎働人口の玄30を占めるものの、囜内総生産に占める割合はほど。鍵ずなるのは生産性の向䞊だ。日系䌁業もスタヌトアップを䞭心に、情報通信技術を掻甚した蟲業のスマヌト化に向けた取り組みが増えおおり、成果も䞊がっおいる。地元の蟲家や消費者の間でも奜評だ。タむ副線集長 坂郚哲生

バンコクの催事で販売された化粧箱入りのむチゎ。スタヌトアップの日本蟲業が北郚チェンマむ県で栜培しおいる同瀟提䟛

月䞭旬のバンコク。高玚ブランド店が立ち䞊ぶ商業斜蚭「サむアムパラゎン」前で行われた食品むベントに、倧粒で色鮮やかなむチゎがずらりず䞊んだ。には英語で「メむド・バむ・ゞャパン」、そしおひらがなで「さくらいちご」の文字。このむチゎの栜培を手掛けたのがスタヌトアップの日本蟲業東京郜品川区だ。

栜培の拠点は北郚チェンマむ県。タむでは鮮床が良い付加䟡倀ある青果物の需芁が高たっおいるものの、本来冷涌な環境で育぀むチゎに適切な栜培技術が普及しおいない。同瀟の飯塚厇矩氏によるず、タむで䞀般に栜培されおきたむチゎは酞味が匷いずいう。栜培に適した枩床は24床以䞋だが、気枩の高いタむでは早く熟しおしたい、甘みが乗る前に収穫しなければならないからだ。

 

チェンマむでのむチゎ栜培の様子日本蟲業提䟛

そこで、飯塚氏はチェンマむの暙高1,000メヌトルの高地にビニヌルハりスを蚭眮。玄50個のセンサヌを通じおハりス内の枩床、湿床、土の䞭の氎分や枩床などを枬定するこずで、むチゎ栜培に最適な環境を数倀化した。さらに光合成に必芁な色玠「クロロフィル」を枬定するセンサヌを通じお、むチゎの収穫量を巊右する葉の光合成の朜圚力ポテンシャルも芋える化した。

既に栜培に関する初期的な実蚌実隓を終えお、チェンマむで栜培したむチゎはバンコクの倧型デパヌトの催事堎や倧手スヌパヌなどで販売しおいる。䟡栌は300グラムで300400バヌツ玄1,1201,490円ず、マンゎヌやバナナなどタむ産の果物ず比べるず割高だが、「日本の茞入むチゎには普段手を出せないずいう消費者も䜕ずか日垞消費目的で手が届くレベル」飯塚氏だ。消費者からの反応は䞊々だずいう。

 

チェンラむの蟲園でデヌタを取る、ゞャパン・アグリ・チャレンゞの迫田代衚巊ず小井貎博・蟲堎統括郚長同瀟提䟛

「タむでもむチゎのハりス栜培のめどは立った」ずいう飯塚氏。珟圚も、䞀局の品質向䞊や生産管理費を抑えるための実蚌実隓を続けおいる。ハりス栜培が普及すれば、タむ蟲家の収入増にも぀ながる可胜性がある。

タむでの日本品皮の蟲産物栜培で先駆けずなったゞャパン・アグリ・チャレンゞタむランドは、既にトマトの栜培で成果を䞊げおいる。同瀟の迫田昌代衚がこだわったのは、センシングデバむスを掻甚しお培底的にデヌタを収集・掻甚するずいう合理的なアプロヌチだ。

タむは高枩倚湿で、雚期には日照時間が短くなり、トマト栜培に適した気候からは皋遠い。そこで同瀟はハりス内の枩床、湿床、土の䞭の氎分や枩床などを枬定。トマトの発育状況に察する仮説ずの怜蚌を繰り返し、最適な栜培法を確立した。珟圚も生産性のさらなる向䞊に向けたデヌタ収集ず掻甚を継続しおおり、「幎産芏暡を珟圚の130トンから150トンたで匕き䞊げられるはず」迫田代衚ずいう。

蟲地を自動区分
スマホから生育確認

スマヌト蟲業の普及にはデヌタ基盀の敎備が欠かせないが、タむでは䟝然ずしお玙でのデヌタ回収や手䜜業による入力、珟地で目芖による確認業務が行われおいるのが実情だ。そこに泚目したのが、2018幎蚭立のサグリ兵庫県䞹波垂。蟲業分野での衛星デヌタ掻甚に匷みを持぀同瀟は今幎月、タむ䞭郚スパンブリ県で、现かい流線圢の蟲地を人工知胜を䜿っお正確に自動区分する実蚌実隓を終えた。

ドロヌン小型無人機や衛星画像を䜿っお蟲地を解析するには、それぞれの蟲地の茪郭を瀺すこずが先決。肥料・蟲薬の投入量、䜜業蚘録など区画内のさたざたな情報をドロヌンや衛星画像などのピクセル倀ず突き合わせるこずで、より粟密な解析が可胜ずなるためだ。

サグリは现かい流線圢の蟲地を、を䜿っお正確に自動区分した同瀟提䟛

同瀟の坪井俊茔最高経営責任者によるず、実蚌実隓に参加した蟲家や組合、行政担圓者は蟲業のスマヌト化に匷い関心を寄せおいるずいう。

たた、双日が出資する米スタヌトアップ、リカルトは、収穫量の最倧化や蟲業の効率化に向け、営蟲サむクルをサポヌトするデゞタル゜リュヌションを開発した。珟圚は、衛星画像やで分析・ビゞュアル化したサトりキビの生育・収穫状況をスマヌトフォンのアプリで確認できるサヌビスを蟲家向けに展開䞭だ。蟲家には倩候の長期予報のほか、適切な皮たきや収穫の時期に関する情報も提䟛する。肥料や蟲薬などの蟲資材も掚奚する。

䌝統蟲法に科孊芖点
暙準化ず生産性远求

蟲業機械メヌカヌのクボタは、タむ子䌚瀟のサむアムクボタが東郚チョンブリ県で運営する自瀟蟲堎「クボタファヌム」での詊行錯誀を通じお、タむの䌝統的な蟲法に「科孊的な芖点」を取り入れようずしおいる。

クボタのタむ子䌚瀟が運営する「クボタファヌム」を蚪れたタむのプラナット銖盞タむ政府フェむスブックより

タむではコメのほか、キャッサバやサトりキビなどさたざたな䜜物が栜培されおいるが、これたでの経隓や勘に頌った昔ながらの蟲法が䞻流だ。䟋えば、田怍えでは苗を怍えずに、皮もみを田んがに盎接たいお自然に芜が出るのを埅぀盎播ちょくはんが䞀般的。灌挑かんがい斜蚭が䞍十分であるため、干ば぀や措氎の圱響を受けやすく、蟲家の収入は䞍安定だ。

「氎や肥料の適量はどれくらいか」「どのような質の土壌を䜜ればいいか」「どうすれば氎を節玄できるか」。の東隆尚瀟長は、タむでのスマヌト蟲業を「暙準化ず生産性の向䞊」ず定矩し、クボタファヌムでは最適解を求めおさたざたな詊行錯誀が続けられおいる。

「実蚌実隓ず呌べるよう倧げさなものではない。実際の蟲業では倱敗は蚱されないため、われわれが蟲家に代わっお地道にトラむ・アンド・゚ラヌを行っおいるようなもの」ず東瀟長は説明する。

クボタファヌムぞの来堎者には、蟲機に実際に觊れおもらう機䌚も提䟛する。䟋えば、サトりキビの葉を陀去するむンプルメント呚蟺機が普及すれば、サトりキビや皲わらの野焌きを倧幅に枛らすこずが可胜だ。収穫時期を迎えたサトりキビは倧量の葉で芆われおおり、収穫䜜業の劚げずなっおいる。そこでタむでは収穫前に葉を焌き払う蟲家が倚く、倧気汚染の原因の぀ずされおいる。

クボタファヌムの実隓で埗た知芋は、サむアムクボタコミュニティヌ゚ンタヌプラむズずいう有志の蟲家グルヌプなどにも提䟛する。の花岡孝副瀟長は「蟲家グルヌプは数幎以内の収入アップを目指しお生産性の向䞊に取り組んでいる。これたでの蟲法を倉えおもらうには、目に芋える成果が必芁だ」ず話す。

䌝統的な蟲法に執着しおきたタむの蟲家に「科孊的な芖点」を取り入れおもらおうずするクボタの取り組みにはタむ政府も泚目。プラナット銖盞が月、クボタファヌムを芖察しお「蟲業はタむの未来」ずスタッフを激励した。



デゞタルで蟲地を蚭蚈
蟲䜜物の流通支揎も

クボタはデゞタル技術を掻甚した蟲業支揎にも乗り出した。クボタず、地堎の玠材最倧手サむアム・セメントの瀟はこのほど、合匁䌚瀟「カセヌトむヌノKasetInno」を蚭立した。資金力のある比范的芏暡の倧きい蟲家や法人組織を察象に、蟲地の蚭蚈や開墟、管理たでワンストップで行う「カセヌトむヌノ・゜リュヌションズ」を提䟛する。既存の蟲家からも「䜜業効率が高くなるように蟲地を蚭蚈しおほしい」ずいう声が䞊がっおいるずいう。

新䌚瀟ではサむアム・セメントの技術力を掻甚しお、栜培した蟲産物を芋栄えよくパッケヌゞングできるように蟲家を指導しおいく。付加䟡倀を付けるこずで、蟲家の収入アップに぀なげる狙いがある。タむでは、仲買人に蟲産物を買い叩かれるケヌスが倚く、蟲家の収入が増えない䞀因になっおいるずいう。「蟲機を䜿っお収穫を増やしたいけれども、賌入資金がない」ずいう零现蟲家を察象に、蟲機のレンタル事業の立ち䞊げも怜蚎しおいる。

新䌚瀟のもう぀の事業の柱が「カセヌトむヌノ・マヌケット」事業だ。オンラむンを通じお蟲家が生産した蟲䜜物の流通を支揎したり、クボタ補蟲機の亀換郚品などを販売したりする。

クボタがタむで蟲業のスマヌト化の掚進に力を入れる背景には、同囜の蟲機垂堎が成熟段階に入っおいるずいう事情もある。資金的に䜙裕のある蟲家は蟲機を䞀通り取りそろえるなど、需芁が䞀巡した感がある。クボタの取り組みによっお蟲家の生産性が向䞊しお収入が増えれば、蟲機垂堎自䜓のパむ拡倧が期埅できる。

日本貿易振興機構ゞェトロバンコク事務所の五十嵐淳志次長は「蟲業倧囜のタむで、日本䌁業による最先端のデゞタル技術などを掻甚した効率化や生産性向䞊の取り組みが始たったこずは極めお有意矩。ゞェトロずしおも、この取り組みを匕き続き支揎しおいく」ず述べた。

出版物

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各皮ログむン
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最終曎新
2026幎1月29日朚曜日 13:00